ニュースリリース
「シャトーカミヤ」の重要文化財指定について
2008年04月18日
オエノンホールディングス株式会社(代表取締役社長:長井幸夫 本社:東京都中央区)が所有するシャトーカミヤ旧醸造場施設(茨城県牛久市)が、本日の文化審議会の答申を受け、今年度の新たな重要文化財として文部科学大臣から指定を受ける見込みとなりました。
答申にあたっては、「事務室」、「醗酵(はっこう)室」、「貯蔵庫」の3棟に対し、指定理由は下記のとおりです。
【指定理由】
最初期の本格ワイン醸造所施設(近代/産業・交通・土木)
シャトーカミヤ旧醸造場施設 3棟(事務室、醗酵室、貯蔵庫)
シャトーカミヤ旧醸造場施設は、神谷傳兵衛が創設したワイン醸造施設で、現存する事務室、醗酵室、貯蔵庫は明治36年9月竣工とみられる。
本施設は、明治中期の本格的な煉瓦造ワイン醸造所の主要部がほぼ完存しており、高い歴史的価値がある。とりわけ醗酵室は、各階ごとに配された設備構成等から当時のワイン醸造工程を窺うことが可能であり、産業技術史上も重要である。
また、事務室は、シャトーを名乗るに相応しい意匠を有し、明治中期の煉瓦造建築の意匠水準を計るうえでも価値が高い。
○指定基準=歴史的価値の高いもの
シャトーカミヤ旧醸造場施設は、当社の創業者である神谷傳兵衛が1903年(明治36年)に開設した日本初の本格的ワイン醸造場です。フランスに現存した醸造場をモデルにしており、ボルドー地方の技術を用いてぶどうの栽培からワインの醸造・瓶詰めを一貫して行っておりました。
シャトーカミヤはオエノングループのシンボルであり、また創業の地でもあります。当社は、1996年より本格的に環境整備と施設の保全を推進しており、2003年には竣工100周年を迎えました。現在は、約6万平方メートルある敷地内に、当時の建物を活かした記念館やレストランを展開し、ワインの歴史を紹介するとともに “食の楽しさ”をご提供しております。
当社はこの価値を次の一世紀(200周年)につなげるため、「お客様の喜びは私たちの喜び」という考えに基づき、施設全般の保全・整備・美化活動を継続・推進いたします。また、今後も文化芸術活動を支援し、牛久市の地域活性化の一役を担ってまいります。

【施設概要】
事務室 | : | 煉瓦造、建築面積308.52平方メートル、2階1部1階建、鉄板瓦、時計塔付 |
醗酵室 | : | 煉瓦造、建築面積436.75平方メートル、地上2階地下1階建、鉄板瓦、西面及び南面突出部附属 |
貯蔵庫 | : | 煉瓦造、建築面積404.58平方メートル、1階建、鉄板瓦(内装を除く)、北面醗酵室に接続、東面北側醗酵室西面突出部に接続 |