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神谷傳兵衛の足跡

神谷傳兵衛(かみやでんべえ)の一生をアルバムに納めました。
神谷傳兵衛と牛久シャトーの歴史を、当時の貴重な写真とともにご覧ください。

序章神谷傳兵衛の誕生

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1856安政3年

傳兵衛誕生

2月21日、三河国幡豆郡松木島村(現:愛知県西尾市一色町)に神谷兵助の六男として生まれる。
松太郎と命名。

第一章洋酒との出会い

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1864元治元年

はじめての奉公

酒造家の豊かな暮らしに憧れ、酒造家になることを志す。
幼い松太郎は、8歳で桶屋(酒だるづくり)の見習いに。

1873明治5年

洋酒製造法の習得

横浜外国人居留地でフランス人が経営するフレッレ商会に労働者として入り、洋酒製造法を修める。
傳兵衛17歳。

  

ワインとの出会い

原因不明の病で衰弱した際に、雇い主からもらったワインを飲んだ傳兵衛。毎日少しずつ飲用するうちに回復し、「いつか日本人のために自分でワインを造りたい」と考え始める。

1880明治13年

東京初、酒の一杯売り開業

4月、東京浅草区花川戸町4番地(現:“神谷バー” のある台東区浅草1-1-1)に「みかはや銘酒店」の屋号で酒の一杯売を開業。

1881明治14年

「蜂印香竄葡萄酒」の誕生

輸入葡萄酒を原料とした甘味葡萄酒「蜂印葡萄酒」(はちじるしぶどうしゅ)の販売開始。
1886(明治19)年に「香竄(こうざん)印」の商標登録を受け、「蜂印香竄葡萄酒」となる。

Check!TOPICS:「蜂印香竄葡萄酒」と当時の広告

1882明治15年

速成ブランデー発売

アルコールを原料とした速成ブランデー(後の「電気ブラン」)を製造し、発売する。

1893明治26年頃

「電気ブラン」の誕生

ブランデー、ワイン、ジン、ベルモット、キュラソーなどをブレンドした「電気ブラン」が一世を風靡。文明開化の風潮の中でハイカラなものは「電気○○」と呼ばれた。

  

近藤利兵衛によるマーケティング

傳兵衛の親友で最大の事業協力者でもある近藤利兵衛。
日本橋に持つ洋酒販売店を拠点に、広告や販売を一手に担当した。

Check!TOPICS:「蜂印香竄葡萄酒」と当時の広告

第二章国産ワインへの挑戦

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1894明治27年

傳蔵、フランスへ留学

山形県の小林二八の二男 傳蔵を養嗣子とし、フランスに留学させる。

1896明治29年

傳蔵、フランスでワイン醸造実習

養嗣子傳蔵、フランス「デュボワ商会」のボルドー・カルボンブラン村醸造場で2 年間のワイン醸造実習を経て、修了証を授かる。

1897明治30年

傳蔵の帰朝

養嗣子傳蔵がフランスから帰朝。
多数のテキスト、醸造用具、栽培用サンプルを持ち帰り、
本格的な葡萄園開設の準備が整う。

  

葡萄苗の試作開始

東京豊多摩郡東大久保村(現:東京都新宿区)にフランス産葡萄苗6,000本の試作を始める。

1898明治31年

葡萄苗の移植

東大久保村に試作した葡萄苗を、茨城県稲敷郡岡田村(現:牛久市)に開墾した23町歩の土地に移植。

1900明治33年

第一回現地検分会開催

「神谷葡萄園」という一大プロジェクトの実施が始まる。これにあたり、榎本武揚ら関係者による第一回現地検分会が催された。

1901明治34年

醸造場建築開始

「神谷葡萄園」にフランスボルドー地区の最新様式を取り入れた醸造場建築を始める。

  

「牛久葡萄酒」第一号誕生

「神谷葡萄園」で栽培した葡萄で造る赤、白のワイン第一号が誕生。

第三章牛久シャトーの誕生と隆盛

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1903明治36年

「牛久醸造場」竣工

9月、牛久醸造場(現:牛久シャトー)が竣工。総工費3万円余。

  

「牛久葡萄酒」、万国衛生食料品博覧会名誉金牌受賞

イギリス水晶宮で開催された万国衛生食料品博覧会に「牛久葡萄酒」を出品し、名誉金牌を受ける。

1904明治37年

「牛久葡萄酒」、チュイルク博覧会で金賞牌受賞

フランス・パリで開催されたチュイルク博覧会に「牛久葡萄酒」を出品し、金賞牌を受賞。

1907明治40年

「牛久葡萄酒」、東京勧業博覧会で一等金賞受賞

東京勧業博覧会に「牛久葡萄酒」を出品し、一等金賞牌を受賞。

1911明治44年

民間初無水アルコールの製造

民間会社として国内で初めて99度以上の無水アルコールの製造に成功。

1912明治45年

「神谷バー」開業

「みかはや銘酒店」を西洋風に改造し、「神谷バー」を開業。日本初のモダンな西洋風バーが誕生。

1919大正8年

什宝679点を帝室博物館へ献納

収集していた美術骨董品のコレクションを東京帝室博物館(現:東京国立博物館)に什宝668点を献納。(写真:当時の受領書)

1922大正11年

神谷傳兵衛逝去

4月24日、傳兵衛66歳で逝去。養嗣子傳蔵が二代目傳兵衛を襲名。
(写真:二代目神谷傳兵衛)